信用スコアをご存じだろうか?
AIによって個人の社会的信用力を数値化しようとする試みである。
中国やアメリカでは「信用スコア」ビジネスが活発化しているという。
・個人の消費行動
・年齢や学歴
・資産やクレジットカードでの購買状況
・借り入れ状況や返済履歴、
・個人のさまざまなデータ
などを元に算出される。
アリババ系の「芝麻信用(セサミクレジット)」(ゴマクレジットとも呼ばれる。)
利用者は5億人に上る(2019年度)
目次
- 日本国内の現状
- https://www.nttdocomo.co.jp/info/news_release/2019/08/29_00.html
- 電子決済化が生む、スコアの信憑性
- スコアの指標
- スコアをあげるにはどうすればいいか?
- 信用スコアのメリット・デメリット
- 信用スコアは私たちに何をもたらすのか?
日本国内の現状
国内の状況としては以下の通りの業者の
・「LINE Score」
http://linescore-blog.line.me/archives/17810056.html
・「Yahoo! スコア」(2020年8月1日で終了)撤退していた
https://knowledge.support.yahoo-net.jp/SccScore/s/article/H000012088
・「ドコモスコアリング」
https://www.nttdocomo.co.jp/info/news_release/2019/08/29_00.html
電子決済化が生む、スコアの信憑性
上記にて国内でサービスを開始している企業を紹介したのだが、通信系の会社に集中していることに注目したい。
・ソフトバンク、(YAHOO)
・ドコモ
・LINE
(あれAUは?)
と一連の流れを観ればイメージを持って頂きやすいはずである。
中国のアリババ、テンセントが始めたサービスなので
通信系企業との親和性が高いのだろうと予見できる。
ではその親和性の高さはどこにあるのだろうか?
電子決済が鍵になるのではないか?と仮定し話を進める。
個人の消費行動の特定。
これはまさにスマートフォン中心の電子決済やアプリなどの履歴から確認する事は
容易である。個人の消費行動のデータはビッグデータとして蓄積されていく。
それはソフトバンクの孫正義がpaypayのシェアにこだわる根源なのではないだろうか?
スコアの指標
各社とにも概ね0~1000のレンジで信用力を指標化している。
600点以上からが良好であるようだ。
芝麻信用の評価によると
・350~500「あまりよくない」
・500~600「中等」
・600~650「良好」
・650~700「優秀」
・700~950「最高に良い」
という事になっている。
スコアをあげるにはどうすればいいか?
・年収や勤務年数を上げておく
・嘘なく真実を記入する
・プロフィール充実・質問にはすべて回答
・倫理的・道徳的な行動はデータとして残す
・SNSのデータを良くする・金融系サービスの利用は慎重に
・シェアリングエコノミーのレビューで評価される
と、数点はあるが、SNSとシェアリングエコノミーなどのレビューという点にスマトフォン利用感がちらつく。変な人をフォローしていたり、ネガティブな事を発言またはRTしているだけでもAIは評価を落としてくると予想できる。
信用スコアのメリット・デメリット
ここで現時点で理解できる利点と問題を整理しておきたい。
【利点】
・初見でその人の社会的信用力が可視化され、人選にコストがかからない。
→一番の利点はその個人を知るという時間の短縮である。しかも超客観的に。
就職活動や結婚などの際に最も効果を発揮するのではないか?
・高スコアの場合、サービスによる恩恵をうけることができる。
高スコアで利用する際に限定されるが、様々な恩恵を受けることが出来る。
例えば、家を借りるときの敷金・礼金が不要になったり、銀行の金利が優遇されるなど様々な便益は想像に容易い。
【問題点】
・スコアだけの評価が独り歩きしがち。
低スコアの方と友達になりたいだろうか?
親しかった友人・同僚のスコアを知りたいと思うだろうか?
もし、自分より高かったら?その時あなたはどんな気持ちになる?
もし、自分より低かったら?知る前と同様の態度で接することが出来る?
この数回の質問を投げかけただけでも人間関係が根本から揺るがす事のできる
ポテンシャルのある数値だという事がわかる。
個人の年収とかに近いものなのか?と書きながら考えた。
年収が高い=優れているか?と言えば様々な疑問符が頭の中を駆け巡る。
あくまでその個人の側面としての数字であるはずだ。
しかし、中国やアメリカではスコアが低いので良い仕事に就けなかったり、
恋人と別れさせられるといった事が起きているようだ。
信用スコアは私たちに何をもたらすのか?
その人を知る。とはどういう事か?
名前、性別、外見、成育歴、学歴、職歴、性格、価値観。
コミュニケーションを通じて知りうる事を書き連ねれば限りがない。
しかし、それが【スコア】という数字が全ての【その人】の指数と
なる世界が既にこの世界にはあるのだ。SFの話の中の設定ではなく。
スコアの数字を良くすることが人生の全てなのか?
と、嘆く人が大量に発生しそうな未来の当たり前の片鱗を見た。